その全てを抱きしめるよ

140字におさまらない色々

久しぶり、背中合わせの君たち

人間の記憶とは脆いもので、3年前のことでさえ遠い遠い、思い出せない朧げなものになっていた。

かつて、といったって2年前の話だけど。

シンメだった君たちのことを少し思い出した。

 

 

私には、なにわ男子が結成された当初にその時の気持ちを備忘録していたメモのようなものがある。それを久々に見たら、みちながのシンメ解体に動揺を隠しきれていない旨が綴られていた。

 

 

そういえば、そうだった。

もちろん、あの時の寂しさを忘れたわけではない。

でもこの2年間、目まぐるしいほどの活躍を見せてくれた7人に置いていかれないように必死について行ったら、自然と今ある姿が体に染み込んでいた。

 

 

忘れたわけではないけれど、彼らがシンメであった思い出は、大切な宝箱の中に丁寧に仕舞われていたのだ。自分でも知らないうちに。

常に今が最良である状態だったのだと思う。

だって、今ある姿が違うと思っていたらいわゆる懐古厨になっていたと思うし。(経験がある)

 

 

でもこの前の配信を見ていたら

静かに、少しだけ、宝箱が開く音がした。

 

 

なにわ男子になってからの2人は、前よりもお互いを意識することのないようになっていたような気がする。

単純に、いつも一緒にいる人が増えて一緒にいる時間が分散されていたからかもしれない。

7人になった分、雑誌で話すことも前よりは少なくなったし、関係性をこちらが覗く機会が減ったとは思う。

でも、メンバーからの「2人はしょうもないことで喧嘩したりしてる」というタレコミを聞くことができたりした。

「なんだ、君らまだ喧嘩してたんか〜い(笑)」

「喧嘩してないって言ってたの誰?」

なんて言いながら、相変わらずの2人に笑ったり。

 

 

そんな日々を過ごすうちに「シンメである2人」から、「同じグループの2人」という関係性に、私の脳内では変換されていった。

2人の根底が変わるわけでもないし、シンメに拘ることもないな〜なんて思い始めた。

 

 

しばらくして、2人で同じドラマに出演することになった。

オタクは歓喜し、その宴は3ヶ月続いた‥‥

高校生のうちに、しかも2人で学園ドラマに出てくれる!うれしい‥‥そんな幸せなことがあるんだ‥‥とこの撮影期間は幸せでいっぱいだった。

久々に見た2人の対談は、相変わらず微妙に噛み合ってなくて「そうそう、これこれこれ‥‥」と呟きながら咀嚼した。

 

プライベートで全く関わり合いのなかった2人が、少し近づいたのもこのあたりからのようで。

私の知っている彼らの関係性から変化していくのだなぁと、ぼんやりと考えた。

 

 

単独ツアーで何故か距離の近かった2人も、ステイホーム中の動画で何故かラブリーな会話を繰り広げる2人も、まぁどちらかと言えば長尾くんからのベクトルが強めだったけど、初めて見るような2人だった。

ビジネスだろうが何だろうが、初めて見る2人だったのだ。

今まで見たことのない2人が、どんどんと現れてきた。

 

 

記憶の中で背中合わせだった2人が、この2年間でお互いに顔を向かい合わせるように変化していくさまを見ているようだと思った。(めちゃくちゃなオタクの深読みだ‥)

 

そうして時は2020年11月21日である。

Shall We…?から始まる今までにないかっこいいコンサートのスタートを切ったなにわ男子に目を奪われていたのも束の間。

 

直前が恭平のソロだったこともあり、仄暗い中で黒い衣装を見に纏った道枝くんを見て、「ソロか?」と思った。その考えは1秒後に覆る。

 

奥に誰かいる。

誰かっていうか、もう分かる。

だって、ずっと道枝くんと共に見てきた子だから。

 

その瞬間、あり得ないくらいのでかい声で「みちながだ!!!!!!!」と叫んだ。

(全くもって迷惑な話なので、本当に配信で良かった‥本当に‥)

脳内が追いつかなかった。

 

みちながのユニット?あれ?いつぶり?もしかして17年クリパ・18年あけおめの愛されるより愛したいぶり?そうだ、ソロやユニットがあるからお楽しみにみたいなこと、言ってたわ。

 

気付いたら泣いていた。めちゃくちゃ怖い。

3年ぶりのみちながユニットを見たら床に伏せていた。正直初回全然見れてない、何故なら驚きで床を見ていたから。(本当に怖いね)

 

2公演目は満を辞して(セトリが分かっているので)心を強く持って挑んだ、が、泣いた。

嬉しすぎて泣いた。

 

みちながでユニットをやるとは、何故か全く思っていなかった。

多分、2人は2人で何かを披露することに執着していないから、「誰かとユニットをやります。」となった時にお互いを選ばないような気がしていたからかもしれない。

 

今回だって、大人たちにやりなさいと言われたのかもしれない。

でもどうだっていいんだそこらへんは。

目の前に2人が、身長差も、顔つきもあの頃とは比べ物にならないくらい成長した2人が、

こんなにも大人っぽい曲を、あんなに艶やかに、

"背中合わせ"で歌っていることが全てだと思った。

 

 

みちながに関しては2人が仲良くなったって、仲良くなくたって私はそこはどちらでも良くて‥‥というか、「仲良くない」ということは絶対にない2人だと思っている。

2年前にもブログに書いていたけど、2人の中にはしっかりとした信頼関係と距離感があるから、他にはないものを見せてくれるのだと思っている。

その証明が3年ぶりに見れた。

 

向かい合わせのみちながに心を躍らせた約2年間だった。

そこになんの不満もなく、寧ろ新しいみちながを次々と見れて私はジェットコースターに乗ってるかのように楽しんでいた。(めちゃくちゃ楽しい。

またバンバンッ!!の鼻チョンチョンのやつでオタクを屍にするやつやってね。)

 

あぁでも、それとは別で、やっぱりみちながの背中合わせって素晴らしいよ。

お互いを見ていなくても、背中合わせでも素晴らしいものを見せてくれる。

根底の2人ってこういうものだったなと。

 

 

お互いを見ていなくても、背中を預けられる強さ。

2人がシンメだった頃が透けて見えたあの3分弱。

多分これを実際に見てたら、両国に溶けて消えてたんだろうな。

 

 

でも、2人はもうシンメではない。

それを寂しく思うこともあまりなくなった。

あの頃のみちながのようで、新しいみちながだった。

薄明かりの中、すこし大人っぽい曲を歌う2人に「背伸びしたね」と思わなくなった。

確実に時間は過ぎていると感じた。

 

 

中合わせの2人に永遠を願った日。

2人がお互いを見つめ合い驚いた日。

そしてまた、背中合わせになった日。

 

やっぱり好きだよ君たちの関係性。

一生分からなくて、分かりたくなくて、興味深い。

 

新しいみちながの時代が、始まっているんだね。